25 肩はなぜ、50歳ぐらいで痛むのか?
動物から進化し2足歩行となったヒトは、胴体の横に腕をおろし肩の筋肉が引き延ばされたことで血流が悪くなりました。
この筋肉群(棘上筋や肩甲下筋などのインナーマッスル)は50歳頃に血流不足で変性を生じます。
変性に続いて機能不全を生じ上腕骨が肩甲骨(肩峰)とぶつかり炎症が生じます。
五十肩の発生です。ある程度の時間(数ヶ月)で炎症が消失して楽になる方が多いのですが、
数週経過しても痛みが軽減しない時は注意です。肩関節拘縮(フローズンショルダー)が生じるからです。
拘縮は手術治療をしてもあまり効果なく地道なリハビリが必要で非常に治りにくいのです。
また、腕の動作と関係ない痛みは心筋梗塞などの可能性もあるため自己診断はせず病院を受診してください。
肩を下にするとひどく痛み寝られないなどつらい方は、早めに肩の注射(あまり痛みなく持続的効果もあります)を受けると楽になりリハビリ治療も早くすすみます。自宅での治療は入浴と可動域訓練と筋力訓練です。
筋力訓練はインナーマッスルを鍛えるためのものです。詳しくお教えしたいのですが紙面が足りません。
ご近所の整形外科専門医にお聞き下さい。当院もパンフレットを作っていますのでご希望の方はお申し付け下さい。
簡単に書くと90度に曲げた肘を胴体に密着させ前腕を外側に開く訓練と腕を下におろして30度ほど開く訓練です。
可動域訓練は、体の真横に腕を上げて手を壁に付けて指先で壁を登るように腕を上げたり、痛くない範囲で腕を回すことです。(ん~説明がむずかしい)。