27 腰痛症

じつは腰痛の多くは骨の異常よりも筋肉が原因で生じています。
人間は痛みがあると自然に筋肉に力を入れて痛いところを動かさないようにします。
これが腰痛を悪化させる要因の一つなのです。
腰が痛くなった時、腰周辺の筋肉に力を入れて腰椎を動かさないようにします。
ところが、腰椎には立っている動作だけでも 100kg以上の力がかかり
(実は体重50kgとする、立つと100kg以上、座ると150kg以上の負担がかかる)
筋肉はそれ以上の力がかかります。
傷ついた痛~い筋肉にさらに力を入れてしまうわけです。
この痛みを避けるためにさらに背骨を曲げ、姿勢が狂い、骨盤が傾き、足の長さが違ったように見えるのです。
診察時に片足が他の足より短く見える人がほとんどですが、
腰痛が治るに従って正しく戻ります。
しかし、この姿勢を直さずにおいておくと他の部位に負担がかかり痛みが生じます。
当院で最も簡単にぎっくり腰を治した人の方法は、
膝を伸ばしかかとの下に座布団をひいて20センチほどの高さして15分程仰向けに力を抜いて寝る方法でした。
腰痛が軽くなり歩いて帰られました。
腰の筋肉の緊張がゆるみ、正常な動きが出来るようになったためです。
ほかの病気(腰椎椎間板ヘルニア、椎間板炎、圧迫骨折など)があるため、
すべてがこうではありませんが、腰椎サポーター(保険が1割負担の人は300円ぐらい) は
筋肉の負担をかなり減らしますのでよく処方します。
しかし就寝時や痛みがない時ははずしましょう(筋力が低下します)←今は筋力低下するとは限らないことが分かっています。