456 朝のこむら返り

ふくらはぎの痛み

①明け方に起こる腓返りには芍薬甘草湯68番を
②寝る前のストレッチと水分補給を十分に
③痛みが続いている時は筋肉を痛めたかも
④筋肉を痛めた時には痛みが消えても筋肉損傷があるかも
⑤筋肉を痛めたら治癒に1ヶ月はかかる。

朝が寒くて、日中が暑くなると朝にふくらはぎが痙攣し、筋肉の収縮が起こるこむらがえり(腓返り)がよく起こるようになります。とても痛いものです。

ふくらはぎの痛み
 こんな時には薬では有名な芍薬甘草湯(患者さんは68番と覚えておられます)を処方します。漢方薬ではありますが、即効性もありよく飲んでいる方がおられます。就寝前のストレッチや、疼痛発生時のゆっくりしたストレッチも楽になります。また、水分不足が原因の場合もありますので就寝前の水分補給を忘れずにして下さい。就寝時のトイレが嫌だからと水分補給をしない人も多いのですが、危険ですから十分に水分補給をして下さい。
水分不足は脳梗塞心筋梗塞の原因にもなります。

 ある時、患者さんが就寝中の明け方にふくらはぎが痛くなり、その後、痛みが続いていると言われ、来院されました。ふくらはぎの体に近い方の部分に痛みがあります。
 その方は、どうやら筋肉そのものを痛めてしまったようでした。筋肉は強力な収縮が起こると、自ら、筋肉を引き裂いてしまう事があります。
特に強い腓返りが生じると、筋肉をコントロールする事が出来ず、筋肉に強力な収縮が生じて筋肉繊維が切れて筋肉の一部が破壊されます。
こうなるとさすがに芍薬甘草湯のみでは痛みが取れません。
来院された患者さんも、痛みが強いので血液検査を行ったところ、筋肉組織のダメージがありました。
 筋肉組織が治るのには1ヶ月ほどかかります。そのため、痛みが取れても、筋肉が治っている訳ではないのです。そのため、1ヶ月はその筋肉に過度な収縮をさせないようにしないといけません。筋肉が治る前に、再び強力な筋肉収縮が生じると再び筋肉を痛めることになります。
 消炎鎮痛剤の内服と痛めた筋肉に無理が生じないように走行・ジャンプ・階段の昇り降りは極力避けるように説明しました。湿布よりは消炎鎮痛剤の内服を優先して下さい。湿布の効果は限定的です。

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