411 長期間続く安静時痛(関節痛や腰痛)と病気

悪性骨腫瘍

まとめ
 ①安静時痛は気をつけて 関節以外の病気が多い。
 ②当院での安静時痛の実例 
  左肩痛⇨心筋梗塞・肺癌・上腕骨腫瘍
  腰痛⇨腎盂腎炎・腎癌・脊椎骨転移癌・腹部大動脈瘤・帯状疱疹初期 (2週間痛みのみ)
  膝⇨大腿骨内顆骨壊死症・骨腫瘍
 ③成長時痛はない

患者さんに
安静時には痛くない」とよく言われます。
これは重要です。
整形外科で治療する病気や怪我の多くは
関節や靭帯、腱、筋肉、神経に起因する事が多く、
姿勢・動作での痛みの変化が診断の助けになります。
その後、必要な検査を行い診断・治療をする訳です。
もし安静時痛長期間(数ヶ月)の時は注意が必要です。
関節以外の何らかの病気(全身疾患や内臓疾患)が原因の時が多いのです。
今まで診た方で動作に関係なく生じる安静時痛がありました
左肩痛の一人は心筋梗塞発症直後、
別の方は肺癌
その他に上腕骨骨腫瘍の方がいました。
同様に腰痛では
腎盂腎炎腎癌、胃癌の脊椎骨転移
化膿性椎体炎、結核性椎体炎、多発性骨髄腫
帯状疱疹発症前等の方々を診た事があります。
原因不明ですが
腹部大動脈瘤で毎回変化する椎間板ヘルニア様の症状の方もいました。
膝では大腿骨内顆骨壊死症をよく診ます。
就寝時に膝を動かさないのに疼く様な痛みがあります。
変形性関節症の治療中だと初期は動作時痛に安静時痛が加わるだけで
レントゲン検査の変化が無い為見逃す事があります。
MRI検査で診断可能です。
痛みの変化時はすぐに主治医に言いましょう。
子供も注意が必要です。
私が読んだ整形外科教科書には成長痛なんてありません。
医師から成長痛と言われても
安静時痛があったり、
痛みが長く続くなら、
再度、医師の診察を受けた方が良いでしょう。
以上は安静時痛が数週間も続く方々の例で一般的ではありません