383 人間の体はまだ完ぺきではない。

高齢では親指の根元の手根中手関節(CM関節)が痛む人が増えます。
他の指と対向する為に親指の動かす範囲が大きい割に関節の形が完成形ではない為です。
屈曲とともに左右に動かします。
その動きに関節周辺組織や軟骨が耐えられず、変形してしまいます。
母指CM関節症です。
同様に、文化的行動の書字、キー入力操作、マウス操作等で
意識しないうちに
手を手の甲側に曲げる動作が生活の中に多くなりました。
その時に使う筋肉付着部が炎症を起こすと
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)が生じます。
ゴリラや猿はその動作を避けている様に見えます。
激しい投球動作では肩を痛め(野球肩)、
その時に手首のスナップを加えると
肘の内側に負担が増えてさらに痛めます(野球肘の一種)。
50肩もそうです。
四つ足から2足歩行になった為、前脚の可動域は拡大し、
前脚を腕として使う為に体幹に沿わせて降ろしました。
その為に肩の腱板(インナーマッスル)の一部の棘上筋が引き延ばされると同時に、
筋辺縁の血流が低下して年と共に変性し痛みます。
50肩の発症です。
そしてギックリ腰、2足歩行なら背骨は背中ではなく、
体の中心にあった方が良いのです。
背中にある為、座っても立っていても、常に上半身を引き起こす力が必要です。
それは体重の数倍となります。
ちょっとした物を持てば、体重の10倍以上の力が必要になり
簡単にギックリ腰になります。
そして、人間の体は今も変化しています。
盲腸が小さくなっているのはなぜでしょうか?
重要な器官であるとする研究もあるようですが、
どのように必要かははっきりしていない様です。
整形外科として足の診察をする時に
いつも気にかかるのが、第5足趾です。
第5足趾の末節骨と中節骨の間の関節が無くなって引っ付いてしまい、
関節の一つが少ない子供が多くなっています。
子供によっては第5足趾だけでなく
第3・4・5足趾の3本の足の指の関節が
無くなっている子もいます。
これが退化でなく進化であれば良いのですが?