420 あなたの痛みは3鼻毛?

痛み

まとめ
 ①痛みの表現は難しい
 ②痛みの測る方法はない。他人に正確にはわからない
 ③同じケガでも痛みかたは人によって違う
 ④痛みの出方を説明する様にしてください。

痛み

痛みをスラスラと説明できる人はそういません。どこにどれ程で、どんな痛みなのかを本人以外に客観的に確認する方法はありません。原因が体の奥深くなら範囲は不明瞭となり、神経なら遠く離れた位置に生じる(放散痛)事もあります。痛みの原因部位と痛みを感じる部位が同じとは限りません。強さも測定は出来きません。測定をするためには新たに痛みを与えて比較するしかありません。


研修医の頃、鼻毛を抜く痛みで表現する(鼻毛を3本抜く痛みは3鼻毛)冗談がありました。学会では出来るだけ客観的になるようにVisual Analog Scaleと呼ばれる方法やその他、数種類の方法があります。

痛みのスケール
jspc.gr.jpより


しかし、同じ様なケガでも痛みが強い人や弱い人がいて、他人との比較も困難です。不安感恐怖感は痛みを強く感じさせ、安心感は痛みを和らげます。そして骨折や筋肉の痛みの区別はできません。ある研究によると脳は失恋の胸の痛みと肉体的な痛みの区別さえ出来ません。そして痛みの質は他人には分からない。だからこそ診察時には自分の言葉でそのまま表現して下さい。痛みの生じる動作や痛みの感じる部位押さえると痛い部位安静時に痛いか、動かし方によって変わるのか、日内変動があるか、外見はどうか、その他、痛みが強くなる条件などが重要です。「~してから痛みが出た」「~すると痛みが強い」等はとても参考になります。難しく考えず自分の言葉で言いましょう。