374 足の関節捻挫と靭帯損傷
足関節の捻挫はよく診ます。
靱帯損傷を伴うとしっかりした治療が必要となります。
程度が軽いと思っても、必ず整形外科を受診して下さい。
靱帯を痛めた時に重要な事は靱帯が治るまで(残念ながら約1ヶ月)
伸びたり、力がかからない様に固定する事です。
固定するために残念ながら関節周辺の筋力は落ちます。
しかしこれらの筋肉は筋力訓練で回復します。
ところが靱帯が伸びたり、切れた時に正しく固定をしなければ
靱帯は伸びた状態もしくは断裂した状態となり、一生回復しません。
そして靱帯周りの筋力を鍛えても靱帯機能をカバーすることの出来ないものがあります。
例えば、足関節の外くるぶしの腓骨と距骨の間にある前距腓靱帯です。
足関節の捻挫でよく痛める靱帯です。
しっかりと靱帯を治す事が出来なければ凸凹道を歩くだけで足関節捻挫を繰り返すようになります。
しかも、この靱帯の代用となる筋肉はなく、
いくら周りの筋肉を鍛えても、状態は変わりません。
こうなると手術(靱帯再建術)をしなければ治りません。
こういう事にならないようにするには初期治療が重要です。
靭帯損傷にマッサージは効果なく、必要な治療ではありません。
それよりも靱帯が治るまでの十分な安静(固定)と期間が重要です。
テーピングを繰り返し行うところがありますが、
テーピングを繰り返しても靱帯断裂が治るわけではないので注意して下さい。
靭帯損傷は名医でも、ボンクラ医師(私?)でも治癒まで1ヶ月以上かかります。
そして、治ったかは痛みで判断してはいけません。
痛みは安静にしていると数日で消失します。
これは安静により局所の炎症がおさまっただけで、治癒ではないのです。
痛みが取れただけで、必要な固定期間前に固定を外すと靱帯が切れるか伸びて治療は失敗です。
治癒したかどうかは痛みでは判断できないので、自己判断せずに
医師の診察を受けて固定を外すか判断してもらいましょう。
重症の靱帯損傷は別にして、多くの靱帯損傷は初期治療をしっかり行えば治ります。