358皆保険制度を守るためには

大学に所属していた頃、治療は整形外科の教科書に書かれている様な理想的治療をしないと教授から怒られました。ところが町医者になると色々な理由のため、理想的な治療を出来ない時があります。それは医学的な理由よりも保険制度維持の為の制限と患者さんの都合の兼ね合いが大きいのです。保険制度では必要最低限の治療を基準に注射や投薬の量や回数が決められます。これは保険制度維持のために絶対必要ですが、必要最低限の治療の決定は困難です。その為、治療上必要であれば医師の判断で量を増やして良いのですが、認められた例は少なく医療機関が負担する例が多いです。保険制度を利用して腰のコルセットを安く購入後は、汚れても1年以上は保険は使用できず自費になります。骨折治療のシーネ固定(副え木)治療は、治療上必要時以外は基本1回です。ところが、夏は汗と垢や水濡れで悪臭になります。悪臭によるシーネの作り直しは保険治療では認めず自費になります。ヒアルロン酸の関節内注射も予定より1日早いと保険適用できず打つなら自費となり、遅い場合は保険適用OKです。湿布枚数も制限され、計算すると4箇所以上の湿布投与は十分な量は処方出来ません。傷の治療で会社や学校、塾があるので通院出来ないといわれる方がおられます。お気持ちは分かるのですがお体を大事にする事と、夜間診療はマンパワーや安全性から緊急性がなければ避けたい事も有りま す。通勤・通学前に1時間ほどのお時間を保険制度の維持の為お願いします