354 ◯の◯んた病

新聞広告でどんな病気も食べ物や運動だけで治るとする広告があります。「こうすれば糖尿病が治る」「これを食べれば腰部脊柱管狭窄症が治る」「こうすれば50肩が治る」「こうすれば腰痛が治る」など。25年前の研修医時代もどんな肩こりも治るとする腕輪などがありました。マイナスイオン水素水の様に物質に効果があっても体内では効果が無い物やヒアルロン酸の様に消化されてアミノ酸に分解される物、医療用ビタミンB製剤なのに鎮痛剤よりも痛みも取れると思わせる物などあります。まるで医者が出す薬よりも効くと錯覚を起こさせる物ばかりです。この様な宣伝が事実なら医者いらず、手術も必要無いでしょう。勤務医時代に腰痛の農家の患者さんがいました。腰痛高血糖以外はほぼ正常なので糖尿病治療もしました。しかし一般的治療と食事制限で血糖が下がらず、サプリメントを疑い、聞きますと「み○○んたが勧めた糖尿病に良いものを食べている」と言われました。勧められた食品全てを食べ、1日摂取量(カロリー)は5食分を超えました。治るはずありません。1つだけ残して治療すると1週間で血糖値は正常化、3ヶ月後でほぼ治癒しました。当時私はこの病気を「み○○んた症候群」を呼んでいました(古いですが)。今も○○を食べれば病気が治ると言う番組があり、翌日にその食品がスーパーから消えます。新たなみ○○んた症候群が心配です。医師は多くの正しい知識を持っています。流行りや不確かな噂に踊らされず、医師に聞いて正しい治療を受けましょう。