40 人や動物に噛まれたら

 見かけによらず怖いのが咬み傷です
人、犬、猫の口の中にはやっかいなMRSAなどの細菌がうじゃうじゃいるため、とっても感染しやすくなります。
狂犬病や破傷風の早期発症例では50%~100%が死に至ります(1970年から狂犬病の発生は0例)。
飼い犬に咬まれたら必ず狂犬病ワクチン接種の有無をチェック(接種は義務です)。
感染に加えて歯の形も問題になります。人の歯は食べ物をすり潰す構造なので傷も潰されています。
私の経験ではほぼ100%感染を起こします。猫では牙が細く傷口が小さいのに唾液の付着した牙が深く刺さります。来院される方の多くは傷が腱鞘(腱)まで達し化膿しています。遅れれば手術や洗浄、長期(数ヶ月)のリハビリが必要で、中には一生指の動きが悪い人がいます。もちろん抗生物質の投与は必要です。犬の場合は咬んだ時に口を振り回すためによく皮膚欠損が生じます。唇をかまれた場合などは非常に丁寧に傷を縫合しないとかなりの傷が残ります。表面の傷の大小にかかわらず、また腱の損傷も考えられるので整形外科に受診されることを勧めます。自己判断では手遅れになることが多いようですので注意しましょう。