36 大腿骨内顆骨壊死症
この病名をご存じない方も多いと思います。開業した頃には年に一人はおりました。最近は患者さんが増え、ここ数ヶ月で5,6名の方がこの診断になりました。この病気をわざわざ挙げたのは理由があります。他の病気(特に変形性関節症)と同時に発症し、初期に診断が付きにくく治療が遅れるためです。しかも一般的に変形性関節症の方には筋力増強の目的である程度は歩いて下さいと指導していますが、この病気では骨が非常に弱るので逆にあまり歩かないで杖を必ず使用するように指導しなければなりせん。安静が必要なのです。この病気は原因不明で急に発症します。膝を治療中の患者さんが急に膝が痛くなり、治療の仕方が悪いんじゃないのかと言われた事もありました。良く聞けば夜間に急に痛み、安静でも痛みェあるなど、比較的特徴のある症状だったのですぐに詳しい検査を行い診断できました。幸いその方は骨が潰れる前だったので慎重な治療で手術をしなくてすみましたが、ある患者さんは手遅れで人工関節の手術をしました。5年経過し、今はとても調子が良いそうです。膝の治療中の方で急に痛みが出た方は必ず主治医(整形外科医)を受診し
ましょう。
次回、外反母趾