356 骨折と痛み
骨折や靭帯損傷すると治癒のために固定を行います。この固定に関しては年齢に関係なく必要で、部位により固定期間が変わります。正しく固定をすれば「痛みがない」為、固定を外そうとする若者が結構います。痛みがない事は良い事ですが、治癒ではなく、正しい位置に固定され維持しているだけです。骨折や靭帯損傷が治るにはある程度の固定時間が必要で、この時間は手術をしない場合はあまり変わりません。特殊な実験的治療なら治癒が早くなるかもしれませんが、とんでもない多額の実費がかかります。その為、手術を行わない場合、骨折や靭帯損傷には一瞬で治る様な特別の治療方法はないのです。早過ぎる固定除去と長過ぎる固定は、悲劇を招くかもしれません。早過ぎると再骨折、靭帯再断裂や変形治癒が生じます。再骨折や靭帯再断裂は再度の固定が必要で固定期間が長くなり、長過ぎる固定と同様に拘縮が生じて関節が動かなくなり筋力も低下します。変形治癒は関節が変形し、日常生活の困難や神経や血液循環の障害が生じます。10〜20歳代の変形性関節症はかなり辛い事です。レントゲンと診察で骨折や靭帯損傷の治癒を確認して出来るだけ早く固定を外す事が重要です。痛みが無い事で治癒しているか確認せずに固定を外す事はとても怖い賭けです。ひと月程度の我慢ができずに賭けに失敗すると、最悪、一生引きずる問題となり、解決に手術が必要となりかねません。そんな賭けはやめて、手術の必要無い方法で確実に治しませんか。