429 なぜ、骨折しても歩けるのか?

腓骨遠位端骨折

①骨折しても歩行可能な例が多い 理由は簡単
②足首の骨折の場合、腓骨の骨折では歩行可能 脛骨で体重を支える事ができるから
③大腿骨頸部骨折(股関節の骨折)でも激痛に耐えれば、歩行可能、
④大腿骨頸部骨折でも運が良ければ、数日は肉体労働が出来ることもある。長くはもたない
⑤膝蓋骨骨折(膝のお皿の骨折)は比較的多く、歩行可能なケースが多い

理由は簡単です。歩ける骨折の多くは、体重負荷がかからないか、かかっても骨折部分の動きが少ない為です。足首を捻って骨折した場合の多くは腓骨(ひこつ)遠位端骨折です。

腓骨遠位端骨折


膝下の下腿には2本の骨があり、内側の脛骨(けいこつ)は体重の70~80%を支え、下腿外側の腓骨はその残りを支えます。腓骨が折れても脛骨の負荷が少し増えるだけで、脛骨単独で体重を支える事が可能です。その為、痛みがあっても歩行可能です。もちろん、脛骨・腓骨の2本とも折れると体重を支えられず下腿が折れ曲り、立つ事さえ不可能となります。

大腿骨頚部骨折


また、手術が必要な股関節骨折(大腿骨頚部骨折)でも一時的に股関節周辺組織や骨盤で大腿骨が支えられるので激痛に耐えられれば歩行可能です。中には骨折部で骨同士が食い込んで固定され痛みが少なく、肉体労働が出来る方もいますが時間の問題です。放置すると数日以内に食い込みが外れ、骨折部がずれて激痛で動けなくなり手術を受ける羽目になります。

膝蓋骨骨折


その他、当院でよく診るのは駐車場の車止めに足を引っ掛けて膝折れして膝頭を打ち、痛みが取れないと来院されるケースです。来院者の5割程度の方は骨折しています。
私の父も山梨県で転倒して膝蓋骨骨折しました。車での移動でしたが、富士山観光してきてます。しっかり折れてました。
電話で相談を受けた時に骨折しているだろうなと思っていたら案の定でした。現在(令和3年1月26日)、91歳、治療中です。