341 足底板 装具療法
変形性膝関節症は膝の内側が先に変形する内側型(日本人の約80%)、外側が先に変形する外側型(白人の約50%)、膝蓋骨の裏が変形する型、その組み合わせ等があります。そして足底板を靴の中に入れる治療があります。足底板治療がよく効くのは内側型と外側型です。内側型の方の歩行を見ると踵が着地した瞬間に膝が外側にブレる動きがあり、これをラテラルスラストを言います。この動きにより歩行時に膝の内側の関節軟骨は強い衝撃を受けます。毎日の繰り返しで軟骨や骨にダメージが生じ変形します。変形→部分的荷重の増加→軟骨・骨ダメージ→変形発生と悪循環になり、同時に痛みも増強します。それを防ぐ為にヒアルロン酸注射やサポーター、鎮痛剤を使用しますが、このラテラルスラストを止める事は難しいのです。外側くさび状足底板の治療ではこの動きが小さくなる事が確認されており、膝の変形の進行が抑えられます。ただ、痛みがすぐに取れず、足首の違和感が生じる為、使わなくなる方がおられます。大学病院所属時に調べた時は使用続行した方の約70%で痛みが減りました。また、靴の踵の外側が削れているとラテラルスラストは大きくなり変形が進行するので修理するか、捨てましょう。足底板は医療装具ですので医師のいる医療機関(整骨院は準医療機関で装具の保険適用はできません)では保険適用できます。同様に治療に必要なコルセットや足関節のサポーターなども保険適用できるものがあり、定価の3割負担や1割負担で安く購入できます。医師に相談しましょう。