31 薬の処方の仕組み(外来で)
皆さんから薬だけくださいとよく言われます。
本当は、診察しないまま薬だけ処方する事は出来ません(実は違法です)ので皆さん我慢して下さい。また、処方期間の制限が緩和されていますが、湿布の必要量の制限はありますので無制限に湿布を出すことは出来ませんのでご注意下さい。
さて医院で薬をだす場合、院内処方と院外処方に分かれます。院内処方とは医院の中で薬を出す事。
院外処方では調剤薬局に処方箋を持って行き薬をもらいます。時々『薬を出した方が儲かるっちゃろ』と言われますが、政府が薬の代金を低く決めますので多量の薬を院内・院外処方しても利益はほとんどなく、医院が儲かる事はありません。
私の医院では院外処方を行いますので薬の量が多くても少なくても処方箋発行の代金のみとなり、むしろ薬の種類の多い方が利益が少ないです。ではなぜ、院外処方にするのでしょうか?
理由①:薬は非常に種類が多く、大きな病院でも必要ネ種類の薬を揃え、管理することが困難になってきた。
理由②:内服する薬の相性や副作用などを患者ごとに薬剤師により確認した方が安全を確保できるから。
医師の専門性が高くなり、一人の患者さんがいろいろな病院を受診され、それぞれの先生から多種類の薬が同時に出されることも少なくありません。内服する薬をすべて把握している薬剤師がいれば、相互作用や副作用、アレルギーなどの危険性を指摘してくれます。そして各医師にも危険性が伝わり、より安全な治療を受ける事が出来るようになります。
院外処方の場合は、かかりつけの調剤薬局を決めて処方箋をそこに持って行き、院内処方でも調剤薬局からもらった『お薬手帳』を持って行き、自分の内服している薬がわかるようにすれば、より安全な薬の飲み方が出来ます。
また、多くのサプリメントがありますが、前回の記事の様にいろいろな危険性がありますので常用しているサプリメントについては薬剤師に安全性を確認して薬の内服をした方がいいと思います。