22 痛み、慢性、悪循環
あ、当院の患者の皆さん、他院でもらった薬の処方理由は処方された所に聞きましょう(笑)。では、本題です。インターネットで見た最近の気になる医学論文がありました。簡単に言うと『慢性の痛みが続いた人の脳は萎縮している事が多い』って事です。原因ははっきりしないようです。神経細胞は刺激(痛みも刺激)と安静を繰り返すと敏感に反応するようになります(無痛と痛みが繰り返し続くと痛みに敏感になる)。良い事ではありません。これが神経を傷つける事になるのでしょうか?鎮痛剤の副作用の可能性は少ないようです。この論文が本当に正しいのかはまだわかっていませんが、痛みを我慢するほど痛みに敏感になり最終的な鎮痛剤使用量は増加し副作用発生率が上がる事は認められています。我慢は美徳ですが悪徳です。痛みの原因を確認してその治療を行う事が本当の治療であり、原因もわからず鎮痛剤を使用する事は良い事ではありません。しかし筋肉に痛みが生じているような場合や変形性関節症で痛みにより筋力が落ちてくるような時は、除痛に時間がかかるようなら痛みの悪循環を断ち切る為に、早めの鎮痛剤の服用を勧めます。麻薬ではありませんので、徐々に効かなくなるとか、習慣性がある(くせになる)ようなことはありません。痛みが治療対象ですので痛みが減ったら内服せず、痛かったら用量用法を守れば良いのです。皆さんが内服量をコントロールし、持続的に内服する必要はあまりないのです。この様な内服方法では副作用も少なくなります。なるべく早く痛みとはおさらばして楽しい生活をしましょう。