463 肋骨骨折はわかりにくい

①初診時注意点
②実際の症例
③後医は名医
④わからない理由
⑤1週間後に骨折が分かる理由
⑥治療
⑦注意点
①初診時注意点
肋骨骨折を疑った時、レントゲン検査で骨折が分からない時があります。
1週間後も痛みが続く時は来院して頂き、再検査を行います。その時に初めて肋骨骨折が確認される事があります。みなさんからすると『レントゲン検査でどうしてわからないんだ』と思うでしょう。
実は、レントゲン検査は形を見るのが得意ですが、骨の質は分かりにくい。
そのため、『ひび』が入っただけ(ひびも骨折です)だとわからない時があるのです。
初診時にどんな骨折の有無も診断できる医師は、天才か、ヤブだけです。
私の様な普通の医者は骨折があるとは言えるが無いとは必要な治療の後に1週間後に骨折を疑うならレントゲン検査で判断します。
②実際にあった症例
ある人が釣りに行った帰りに渡し船から転落して胸を強打しました。
ある救急病院で胸部X線CTを受け、軽度の肺損傷を認めたが、肋骨骨折はないと診断されたそうです。
けれども、胸痛が続くため当院を受診されました。
まあ、見事な肋骨骨折が3本ありました。気分を害されて、救急病院を訴えてやるとまで言われましたが、わからない事もあると説明して納得して頂きました。
③後医は名医
これは初診の医師が悪い訳ではありません。(医者の中での言葉で『後医は名医』と言葉がある)
説明が悪かっただけです。
『検査では骨折が確認できない』『CT検査画像では肋骨骨折が確認されない』と言うべきでした。『骨折がない』は間違いです。
④わからない理由
レントゲンやX線CT検査は基本的には形の変化を見るものなので、前述のように骨折のずれがなく『ヒビ』が入っているだけでは骨折が確認できない事もあります。骨折部がズレて、初めて骨折が確認される事もあります。
MRI(核磁気共鳴画像)検査の方が骨折がよく分かるのですが、肋骨のMRI検査は不可能です。1枚の画像を作るのに数分間、肋骨の動きを止めるために呼吸を止めます。これを数十枚繰り返します。命に関わります。
⑤1週間後に骨折がわかる理由
a.治癒過程が始まり骨折部の分解と再生が始まり、骨折線が明瞭に見える。b.骨折部がずれにより、骨折が分かる
⑥治療
以上から、肋骨骨折の疑いがあって、確認できない時でも骨折と同様に
下記の処置を行い、レントゲン検査で経過を見て治癒を待ちます。
a. 消炎鎮痛剤
b.胸の動きを制限する(バストバンド固定)
バストバンド固定で、咳や起床動作時の痛みは軽減します。緊急時は帯やガムテープ、サラシも代用できます。
その後、必要な治療を継続します。
⑦注意点
気胸の発生があります。
多少の肋骨骨折がっても命を落とす事はほぼありません。しかし気胸 特に緊張性気胸を起こした時には緊急の治療が必要です。入院は必要ですが簡単な処置で助かります。
なので、おかしいと思ったときは自己判断はせずに医療機関にを受診してください。
(整骨院は医師がおらず医療機関ではありませんのでレントゲン検査や治療などはできません。緊急時は手遅れになりますので必ず医療機関に行くように)
骨折自体の治療期間は約1ヶ月から2ヶ月です。

