460 CPK 21847U/L
以前にある大学の応援団の男性が来院されました。
旗手として数時間も大きな応援団旗を掲げていて、両大腿四頭筋が痛くなって痛みが取れないと言われています。
大腿も結構、腫れていて、筋肉全体が痛いようです。筋肉のダメージが大きいと考えて血液検査を行いました。
クレアチン・フォスフォキナーゼ(CPK)が21847UI/lと正常値(50〜230 男性)と比べて約100倍です。
ここまでくると筋損傷どころではありません。
横紋筋融解症の可能性もあります。筋破壊が起こり、その筋肉の破壊された成分(ミオグロビン)が腎臓の障害を起こします。
特に腎機能障害は重篤になる事もあり、透析が必要な状態になることもあります。
すぐに、血液検査で腎機能のチェックを行いました。
幸い、腎機能の数値は正常だったため、安静を指示し、ご本人にはこれ以上無理をすると大変なことになるかもしれないので、しばらくはこれ以上の旗持ちはしないように説明しました。しかし、彼はどうも旗手を止めることを渋っていました。
応援団の人から色々言われて困るようなら診断書を作りますよと言ったのですが、その後、来院されませんでした。
もしかして、応援団の人から、『それぐらいで』と言われて旗持ちを継続させられて、状態が悪くなり、病院で入院にでもなっていなければ良いのです。心配です。