458 まずはMRI検査なんて誰が言うの?
あるコマーシャルを見ていると、患者さんの事を考えているようで
実はお金儲けのように感じる事があります。
数ヶ月前からCMで膝が痛い方は「まずはMRI検査から」とか「手術をしない治療を」と言っているのを見かけます。
でもこれって少しおかしいですよ。
①高いお金を出してまでMRI検査をしなくても変形性膝関節症の診断はついて、治療に大きな違いはないことが多い。 必要な人だけMRI検査をすれば十分です。
②どの医療機関でも手術をしないでする治療が優先です。当然です。
膝が痛いと受診患者さんが言ったからとすべての患者にMRI検査をするのは、ちょっと聞くとすごく患者の事を考えているように見えますが、私には実はお金儲けとしか見えません。
大体、すべての患者さんにお金がかかるMRI検査をする必要はありません。
当院では
①一般的な治療をしても痛みが改善しない
②脊椎圧迫骨折(新規骨折か古い骨折か)や椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など神経が障害を受けている疾患を疑う
③初診より半月板や靭帯の損傷など単純なレントゲン検査で評価できない病気を疑う
④ 骨壊死やがん転移など初期には骨の変化がレントゲン検査で確認しにくい病気を疑う
⑤上記以外に原因が不明の痛み・症状が生じている。
上記のような時にMRI検査を考えます。
しかし、診断・症状が明確で、治療効果があるようなら、無理にMRI検査をする必要はありません。
レントゲン検査で十分に評価できる事も多く、本当に手術が必要な方でも、MRI検査が必要とは限りません。
変形の強い膝の手術をする場合はMRI検査よりも変形度合いを見るためにレントゲンCTで3Dの形状の評価の方が重要です。形の変化を見るのはMRI検査よりレントゲンCTの方が優れているのです。
外来に来る患者さん全てにMRI検査をするならば必要ない患者さんにもする事になります。
しかも、公的な保健を使用すると皆さんの税金が使われるのですよ。
もちろん、必要な人にはすぐに検査をしています。
私のところにはMRI検査機器はないのですが、近くの病院(車で5分位)にすぐに予約を入れますので空きがあれば当日でも検査を行なえます。
すべての人に無料でMRI検査をするならとても良いと思いますが、すべての人に公的な保健でMRI検査をするなんて
金儲けでしょ。