454 良性発作性頭位性めまいと骨粗鬆症治療
①再発する良性発作性頭位性めまいと骨粗鬆症は関連あり
②骨粗鬆症治療薬は良性発作性頭位性めまいの予防に役立つ?
③骨粗鬆症治療が必要な人で両性発作性頭位性めまいを発症している方は、ぜひ骨粗鬆症治療をされては
朝ドラを見た後の情報番組を見ていると良性発作性頭位性めまい(BPPV)は、耳石の剥がれが原因であり、骨代謝が影響して、閉経後の女性に多いと言われていました。
ラットを用いた研究で骨粗鬆症を起こしたラットでは耳石が小型化、縮小している事が確認されています1)。となると、目眩の予防や治療にも骨粗鬆症薬が役に立つのではと思いネットで調べました。
すでに20年以上前にいろんな人がすでに調べて研究していました。
再発を繰り返すBPPVと骨粗鬆症の関係は明らかなようで、男性の骨粗鬆症は特に関連が強いとする論文がありました。
ただし、骨粗鬆症治療との関連は記載されておらず、骨粗鬆症の治療に効果があるとは断言できません。
しかし、骨粗鬆症の方は必ず骨粗鬆症の治療はした方が良いので、骨粗鬆症に加えてBPPVを発症している方はぜひ骨粗鬆症の治療をして下さい。
上記の論文を見るとBPPVの再発を繰り返す人は骨粗鬆症の関連がある事は確認されています。そして、骨粗鬆症の治療を行なって、骨代謝が改善すればBPPVは再発しにくくなるかもしれません。確定的なことが言えませんので、かもしれませんと表現するしかありません。また、BPPVの原因が女性ホルモンの減少により骨代謝が落ちた為と記載されている事から、骨粗鬆症薬の中でも女性ホルモンの研究から作られた「SERM」が良いかもしれません(残念ながら男性には使用できません)。
閉経後の女性に多いと言われるBPPV、骨の代謝が落ちて、耳石の状態が悪化するBPPV、骨代謝の改善がめまいに効くかもしれません。
BPPVに骨粗鬆症薬が必ず効くとは言えないが、効かないとも言えず、骨粗鬆症 + BPPVの方は内服して損はないと思います。ある程度の予防が期待できるのであれば、一石二鳥の薬を内服する方が良いのではないかと思っています。
参考)1、宇宙航空環境医学 Vol. 54, No. 4, 94, 2017