453 とにかく、歩いて頂戴 骨粗鬆症
骨粗鬆症の治療は
① 毎日の散歩
② 骨粗鬆症薬(内服薬や注射薬)
③ なし
④ なし
⑤ 食事
以上です。
骨粗鬆症の治療をするにあたって
まず聞かれるのが、「何を食べたらいいですか?」です。
確かに『医食同源』という言葉があるように食事は大事です。
しかし、正直に言って、今の日本で食事による影響を受ける人って
そんなにいるのだろうかと思っています。
確かにビタミンD不足や、カルシウムの摂取量もちょっと少ないかもしれません。
でも、『骨粗鬆症が最も進行する職業は宇宙飛行士で、80歳女性の10倍も進む』って事を
聞くと、宇宙飛行士のような十分な食事や体力を持っている人でも、無重力で浮いていると(運動しないでいると)骨粗鬆症になるんだなと思います。やはり、運動不足が最も影響すると考えています。
また、長年、骨粗鬆症の治療をしていて思う事は、
「薬がよく効く人と効かない人の違いは、運動量」と思うのです(運動と言っても散歩程度です)。
例えば、コロナ禍でマスク併用+暑い日が続く夏や今季のような寒い日が続く冬では
骨密度の回復は遅れる傾向にあります。
骨密度の回復が遅れている人に聞くとやはり散歩量が極端に落ちているようです。
変形性膝関節症の方に勧める水中歩行はとても良い運動です。
しかし、残念ですが、骨粗鬆症の回復効果はあまり期待できません。
他に「踵落とし」は骨密度を上げる効果はあるようですが、
メディアで紹介すると、必ず数ヶ月後に踵が痛いと言ってくる患者さんがいます。
どうしても歩けない人(時間が無いなど)が、される場合、踵落としでは、踵が痛くならないように無理はしないでください。
しかし、十分に散歩する時間がある人は踵落としの必要はないと思います。
散歩するにあたっても、
①午後歩く方が良いとか、②速度は早い方が良いとか、③歩幅はどれくらいが良いとか、
いろんな事を聞かれます。
確かに、より効率的にするにはいろいろ注意点がありますが、
まずはスタートして下さい。毎日、歩いて下さい。
色々調べるのは散歩する前ではなく、散歩を始めてからで良いと思います。
毎日歩くようになってから、どんな方法がもっと良いのか考えましょう。
変形性膝関節症の方には水中ウォークを勧めていますが、
よく聞くのは「水着を持っている」とか「買った」とか言われます。
でも結局、水中ウォークをしないままの人がいます。
水着を持って眺めていて膝は良くなりませんので、水中ウォークをするか、しないかです。
同様に骨密度を上げるためには、①に散歩、②に薬、③・④番がなくて、⑤が食事です。