443 知らぬ間に骨折

①腰を打ったり、尻餅をついた時には病院へ
②まずはレントゲン検査を!
③症状だけではわからないこともあります。
④レントゲンでわからない時にはMRI検査
⑤骨密度は女性の場合、50歳を過ぎると急激に低下する。
72歳の平均骨密度は骨粗鬆症の治療が必要な段階になる。
⑦骨粗鬆症特有の骨折をした場合、62歳の平均骨密度以下では治療が必要となる。

MRI画像(第11胸椎圧迫骨折)

先日、1週間ほど前から腰が痛いときた患者さんがいました。
特に打撲や、重たい物も持った覚えもないのですが、膝の力が入らない時があると言われていました。
脊椎の状態を見るため、脊椎の棘突起(中央の凸凹)を上から仙骨まで拳で軽く叩いて痛み(叩打痛)があるか確認しましたが、
全く痛くないと言われました。
急に膝の力がなくなり膝折れするとの事なので、脊椎の問題があるかもしれない
(椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など)と判断してMRI検査を行いました。
すると第11胸椎圧迫骨折が見つかりました。
これに対する症状は全くありません。
運が悪いと骨折部分が後方の脊柱管に飛び出して、脊髄を圧迫します。
そうなると手術が必要な時があります。
幸い、この方は、その可能性は低いと判断しました。
胸椎が潰れないようにコルセットを使用して、重量物どころか、
土鍋も持たないように説明しました。
また、81歳で骨粗鬆症の検査や治療も受けたことがないと言われたため測定しました。
骨粗鬆症の治療が必ず必要な人とは、
若い女性(20歳〜40歳)の平均骨密度を100%とすると、
骨密度が70%以下の人達です。

また、骨粗鬆に多い骨折を受傷した人では

(手首の骨折脊椎圧迫骨折大腿骨頸部骨折(股関節の骨折)など)
80%以下の場合に治療が必要と判断されています。
今回の患者さんは、68%と81歳としては高い方ですが、
骨粗鬆症の治療が必要であることがわかりました。
72歳以上の女性は平均値より少しでも低ければ治療が必要です。
乱暴な言い方をすると
72歳の女性の半数の方は骨粗鬆症の治療が必要である事になります。
骨粗鬆症に特有の骨折をした事がある女性では
62歳の女性の半数の方が治療を必要とします。
骨粗鬆症の治療を地道に行って、散歩をしている人のほとんどは骨密度が回復してきます。
30分の散歩が辛い人は気をつけて。
それと骨粗鬆症薬の中には肌のコラーゲン繊維が回復して弾力が戻るため、シワが減るかもしれない薬がありますよ。
本来の効能と違うため、あまり、言ってはいけないそうですが。