425 膝が痛いと歩いてきました。

①骨折していても歩ける時がある。
②膝蓋骨が割れると手術が必要
③手術をするとリハビリに苦労する。
④受傷後4週間は治療困難となる事がある。

数日前に転倒して膝を打撲し痛みがあると女性が歩いて受診されました。膝のお皿の骨(膝蓋骨)の下端を中心に皮膚が腫れ傷と痛みがあり階段の上り下りで痛いと言われました。膝関節内に関節液か血が少し溜まっています(整形外科医ならわかります)。検査の結果、膝蓋骨先端(下極)の膝蓋骨骨折(水平骨折)でした。


歩行可能ですが最低1ヶ月の膝の固定です。もし放置していて運が悪ければ更に骨折部が割れ膝を伸ばせなくなり、手術となったでしょう。
膝蓋骨骨折はどんな手術でも屈曲訓練が必須でリハビリに苦労します。膝を曲げると骨折部を引き離す力が生じるので治癒までは膝屈曲を強くしない様にします。その為、膝は屈曲困難が生じます。その後は逆に再骨折をしない様に注意深く屈曲訓練をする必要がある為です。先日もMRI検査で膝蓋骨骨折と診断した子供がいました。

MRIによる膝蓋骨骨折


その後、再診を勧めましたが、膝の痛みが少ない様で保護者は医者が大袈裟と思ったのか再診されませんでした。運が良ければ良いのですが、運が悪ければ膝蓋骨骨折を生じ、回復にも数ヶ月必要になります。
とても心配です。
以上の様に(痛みが少ない)や(歩行可能、動作可能)は(骨折なし)とは限りません。3日以上の疼痛持続は医療機関の受診が必要、安全と思います。そして骨折で4週間経過は治療が手遅れかもしれません。