8 腰椎椎間板ヘルニアについて
椎間板ヘルニアほどあやふやに広まっている病名はないように思います。
医療機関以外で症状がほとんどないのに意味のないチェックをされ、
「椎間板ヘルニアです」と言われて来られる方がおられます。
診察してみると椎間板ヘルニアに特有の脊髄根症状(坐骨神経伸展テスト陽性、特定部位の知覚鈍麻や筋力低下など)がなく、X線検査所見でも特に所見がないため、腰椎椎間板ヘルニアと診断できない方がいます。
その様な方は非常に心配をされて来院されます。
医療の正しい知識がなく無責任な事を言う人達は犯罪者と同じです。
また椎間板ヘルニアは手術でしか治らないと思われている方もおられます。
しかし、多くの患者さんには、手術の必要がありません。
私が開業前に診た患者さんで、明らかに腰椎椎間板ヘルニアの方で八女の消防士の方がいます。
彼はMRI検査で間違いのない腰椎椎間板ヘルニアでしたが、特別の治療ではなく一般的な治療のみで6ヶ月後のMRI検査で椎間板ヘルニアが消失しました。
もちろん手術が必要な事もあります。
私の恩師はご自分で診断されすぐに手術をされました。手術後はすこぶる調子が良いようで今でもテニスをされています。恩師のご年令は秘密ですが、私が日頃見ている患者様でも手術が必要な方はすぐにするべきだなと思える年齢でした。
このように正しい診断のもとで手術が必要な方や手術をしないで治癒を待つ事ができる方など色々おられます。
医師から説明を良く聞いて治療を決められたらいいと思います。